お客様メーカー側のデザイナーと打ち合わせを重ねつつ、仕様および図面を作成し、量産化に導いていくことが、生産設計の役割になります。特に化粧品の容器は、他にはない印象的なデザインが求められるため、設計に対する要求度も非常に高いです。たとえ技術上不可能な場合でも、単に「無理です」と伝えるだけでは、役割を果たしているとはいえません。「どこをどのようにすれば、目指すイメージに近いフォルムが実現するのか」を提案し、お客様と共にモノづくりを完成させてこそ、私たちの技術は価値を生むのです。
毎回がチャレンジの連続です。お客様が希望するデザインを活かしつつ、いかに品質基準や技術的なハードルをクリアした上で、生産を実現するか。頭を悩ませることもしばしばですが、それが同時に、この仕事の楽しさでもあるんです。また当社では、自分の担当プロジェクトに対して大きな裁量権が与えられます。技術責任者として、お客様と直接やりとりしながら完成まで携わることができる。だからこそ、製品が世に出た時の達成感は、何物にも代えがたいですね。担当した化粧品を、自分でデパートへ買いに行く人もいますよ。
専門的な知識は必要不可欠ですが、吸収したいという意欲さえあれば、入社後徐々に身についていきます。大切なのは課題解決力とコミュニケーション能力です。お客様、協力会社、自社の生産部門と共に、毎回さまざまな課題を克服していく。そこに面白味を感じる人ならきっと向いています。ルーチン的な要素がない、変化に富んだ仕事なので、私も20年以上続けていますが全く飽きません。