お取り引きするお客様は大手化粧品メーカーです。化粧品メーカーでは様々なチームが製品を作っています。スキンケアなら洗顔料やクレンジング・化粧品・乳液など、メイクアップならファンデーションやアイシャドウ・口紅・ネイルケア。もちろん女性向けだけなく、男性化粧品もあります。また、容器を発注する担当者も技術設計、購買、調達、デザイナーなどプロジェクトによって様々です。営業は化粧品メーカーの中で人脈を広げ、新しい製品開発やリニューアル情報をキャッチして、まずは容器開発の提案に参加する機会を作ります。
提案の機会を得られれば、お客様のご要望を技術と共にヒアリングし、企画を立案し、プレゼンテーション(企画提案)を行います。他社との競合提案を勝ち抜き、自分たちの企画が採用された時には大きな喜びを感じられる仕事です。
化粧品容器で活用できる新しい機構や技術を考えるのが開発チームの仕事です。お客様の要望を実現するために考えるのではなく、テーマは自分で考えます。まずは「こんなものがあれば楽しい」「こうすればもっと便利になる」といったアイデアを練ります。大手化粧品メーカーの最高級化粧品を受注できた要因の一つであるリフィル機構、分かりやすく言うと「詰め替え容器交換の仕掛け」は、実際に提案する何年も前に、ある技術者が「これからは化粧品にも詰め替えのニーズが来そうだ」と感じて、アイデアを考えて、特許を取得した技術です。その技術者が予測したとおりに、特許を取得した数年後に「リフィル機構」が競合提案の要件として上げられ、その特許を活用した提案で見事受注を果たしたのです。開発チームは、アイデア出しから製品設計、3Dプリンタなどを使ったモデルの作製、特許出願、提案同行など幅広い業務を担当しています。
化粧品メーカーのデザイナーが考えた化粧品容器を実際にカタチにしていくのが、設計の仕事です。デザイン画を立体にして、どうすれば射出成形機を使ってそのカタチが作れるのかを考え、お客様であるデザイナーともやり取りをしながら、協力会社の金型メーカーの技術者と打ち合わせて金型を依頼します。できあがった金型で作られた試作品を図面と照らし合わせて品質基準を確認の上、プレ量産(本格的な量産に入る前に小ロットをラインで生産する)を行います。始まりは一枚のデザイン。それをどうやってカタチにしていくのかは、自分のアイデア一つ。思い通りの製品に仕上がった時の喜びは格別です。
工場の生産設備や治具を作ったり、新しいタイプの射出成形機を導入する時は設備メーカーと打ち合わせに関わったりしながら、生産ラインを構築していくのが生産技術の仕事です。例えば、容器に印刷される商品名などにズレやゆがみがないかといった検査に画像認識システムを導入して、新しい装置を製作します。今ある業務に対して機械や装置を使って省人化・省力化が出来ないかを考えて、実現していきます。
新しい技術をどんどん取り入れていくので、最先端の技術と触れ合えることができます。新しい装置が上手く稼働して、生産現場の人たちから「作業が楽になった」「装置を入れて良かった」と言われると、「やって良かった」と感じられる仕事です。
製品の出来栄えを評価するのが品質管理の仕事です。生産された製品は必ずばらつきが出ます。基準内のばらつきは問題ありませんが、基準から外れたばらつきが出た場合は、その原因を分析します。熱の収縮が予想とは違うのか、原料の組み合わせや設備の調整にズレはないか、あるいはいくつかの要因が複合的に関係しているのか、といったことを分析し、改善していくのが品質管理の役割です。
他にも作業標準書を作成するなどかなり奥深い仕事で、豊富な知識が身につきます。知れば知るほど新しい発見が次々と湧き出てくる、そんな楽しさを味わえます。
射出成形機に金型を取り付け、機械を動かして、製品を作るのが成形担当です。機械が作り出す製品に不具合があれば樹脂を流す速度や圧力を調整して、基準に合った製品を作れるようにします。いろいろな条件を試しながら答えを探していきます。経験を積めば積むほど、問題に対する課題解決の答えを得るのが早くなり、自らの成長を実感できます。
容器に装飾や加工を施すのが加飾の役割です。熟練の技が必要な熱乾印刷を始めUV印刷・転写・箔巻きなどの装飾や、キャップの密閉性を高める為のパッキンをキャップの内側に入れるメルトパッキンの作業なども担当します。一人でコツコツと作業するのが好きな人には最適な仕事です。経験を積めば積むほど、綺麗に仕上がった製品を数多く作ることができるようになり、上達をはっきりと目にすることができる仕事です。
プラスチックで作られた容器やキャップを、蒸着釜という真空装置に入れて製品の表面に溶融させたアルミを密着させ、その後に塗装ラインで塗装を施し、まるで金属のような質感に仕上げるのが蒸着・塗装の仕事です。
日々、湿度や温度などが影響してものを作る条件が変わるために、仕上がりに微妙な色の違いやかすれが発生します。それを調整するために装置の温度や塗料が出る量を調整していきます。その調整技術はかなり高度で、色彩などのセンスと経験が必要な仕事です。お客様の求める色を見極めて、それを容器で実現する。お客様が望んでいた通りの色が出せて、お客様が喜んで製品を眺めている様子を見るとテンションの上がる仕事です。